メタバースという言葉を最近よく聞くようになりましたが、なんとなくは分かるけど実際どういうものか、活用法など詳しくは分からない・・・という方も多いのではないでしょうか。今回はメタバースについて、その概要と活用法・事例などをご紹介いたします。

メタバースって何？

メタバースは「メタ(Meta)」と「ユニバース(Universe)」の２つの言葉からつくられた造語です。「メタ」は”高次元”や”超越した”という意味を持ち、「ユニバース」は”宇宙”や”世界”といった意味を持ちます。
実際にはインターネット上でつくられた3次元の仮想空間を表すもので、その仮想空間で、人々がアバターを介してコミュニケーションをとるなどの活動を行うことができます。商品を購入する、サービスを受ける、他者と交流する、共同で作業する、など様々な活動ができるのが特徴で、現在は幅広い分野でメタバースが活用されています。

メタバースでできること

メタバースといえば今までは主にゲームで活用されることが多くありましたが、近年はコロナ禍で仕事のリモート化が普及したり、外出を制限されたこともありビジネスで活用されることも増えてきました。

ゲームでは・・・

ゲームの世界では「マインクラフト」や「あつまれ どうぶつの森」が有名です。ゲームの中ではバーチャルな世界でアバターを通して作業したり、他者と交流することができます。他にも世界的に有名なゲームで「フォーナイト」があります。オンラインバトルゲームですが、こちらはメタバースならではのイベントが実施されており、日本では2020年にシンガーソングライターの「米津玄師」がフォーナイトの中でライブイベントを開催し話題となりました。

ビジネスでは・・・

ビジネスシーンにおいては、バーチャルオフィスを使うことでテレワーク中でも社員間でコミュニケーションをとることができたり、会議をすることが可能です。他にもメタバースを使ったバーチャルショップでは、通常の通販サイトとは異なり、実際に店内を歩いて見ているような仮想空間を提供し、商品をアピールしたりリアルタイムで定員とやり取りができたりすることで購買意欲のアップが図れるツールとなっています。エンターテインメントの分野ではバーチャルライブが行われたり、観光にもメタバースが活用されています。観光では、現地に行かずとも実際に行っているかのように散策でき、特産品を購入したりイベントに参加したりすることができます。

メタバースの活用事例

ここではメタバースが実際に使われている事例をご紹介します。

VARP（ヴァーチャル・パーク・システム）

「VARP」は世界中の人がアバターを介して音楽ライブや映画、イベントなどの様々なエンターテインメントの体験ができるサービスです。アーティストやイベントの主催者がオリジナルのヴァーチャルパークを作りアプリとして配布します。ユーザーはアプリから仮想空間に入り、ライブやアート、イベントなどを世界中のユーザーと楽しむことができます。

（出典：VARP）

OASIS KYOTO

「OASIS KYOTO」はバーチャルリアリティプラットフォーム「Decentraland」内に建設中の近未来都市です。コインチェック株式会社が「Decentraland」内に保有する土地に建設されているメタバース都市で、日本の古都を思わせる風景と、ファッションやアートなどのイベント施設が設置され、世界中のユーザーとコミュニケーションをとることができます。

（出典：OASIS KYOTO）

Microsoft Mesh（マイクロソフトメッシュ）

「Microsoft Mesh」はオフィス向けのメタバースで、違う場所にいながら仮想空間上で共同作業ができるサービスです。3Dアバターを使い、ホログラフィック体験を共有することで実際に同じ空間にいるような没入感を得られるのが特徴です。ビデオ会議アプリとして知られる「Microsoft Teams」内で利用することができ、アバターで会議に出席したり、社員同士で交流することができるようです。
2023年9月より公開プレビューが開始され、一般提供は2024年1月の予定です。（2023年11月現在）

（出典：Microsoft Mesh）

三越伊勢丹ホールディングス「REV WORLDS」

「REV WORLDS(レヴ ワールズ)」は三菱伊勢丹が提供するスマホ向けのアプリで、仮想新宿が舞台のメタバースです。ユーザーはアバターを介して仮想都市空間を自由に動き回り、買い物を楽しんだり他のアバターと交流することが可能です。メタバースならではのバーチャルショップがあったり、ゲームも用意されています。2023年には「REV WORLDS」内にバーチャルイオンモールがオープンしニュースとなりました。

（出典：REV WORLDS）

最後に

IT技術の進歩によってインターネットを使ったサービスはますます発展しています。ゲーム業界においては随分前から活用されていたメタバースですが、ここ最近はバーチャルライブやショッピングなど生活の中で自然に取り入れられるアプリとして広く知られるようになってきました。少し前までは聞き馴染みのなかったメタバースも私たちの日常のすぐ近くにあり、これからは当たり前のように使われるものになっていくのではないでしょうか。

筆者Y.S