プログラミング × ロボット学習教材:デジハコの新製品「プログラミングカー」を解説
IT技術が社会のあらゆる層に浸透する中、プログラミング教育はもはや「特別なスキル」ではなく、読み書き算盤に並ぶ「現代の教養」となりました。2020年度の小学校プログラミング教育必修化以降、Scratch(スクラッチ)をはじめとするビジュアルプログラミング言語が普及し、多くの子どもたちがPCやタブレットの画面を通じて「コード」に触れています。しかし、教育現場や家庭からは新たな課題も聞こえてきます。「低学年の子にはマウス操作やキーボードがまだ難しい」「画面の中の抽象的な動きだけでは実感が湧きにくい」といった声です。
そんな中、株式会社ワールドエリアネットワークスより体験型プログラミング教材「デジハコ プログラミングカー」が発売されました。これは、プログラミングによって実際に“走る車”を制御できるロボット教材で、学習者が自分で書いたコードの結果を、物理的な動きとして体感できる点が大きな特徴です。本記事では、技術・教育の両面から「デジハコ プログラミングカー」の仕組みや魅力、可能性について解説します。
デジハコ プログラミングカーとは?

「デジハコ プログラミングカー」は親子で一緒に楽しみながら、ものづくりとプログラミングの基本を体験的に学べる車型教材として開発されました。完成品を操作するのではなく、組み立ての工程から学習が始まる点が大きな特徴です。
ボディ部分にはMDF素材が採用されており、レーザー加工によって精密に切り出されたパーツを、プラモデル感覚で一つひとつ取り外し、組み立てていく構成になっています。さらに、制御用のマイコンとして「IchigoJam」と各種モジュールを組み合わせることで、ハードウェアとソフトウェアの両面から仕組みを理解できる教材設計となっています。
対象は主に小学生を中心としながらも、プログラミングの基礎から応用まで段階的に学べる設計となっており、初学者からある程度経験のある学習者まで対応可能です。家庭学習はもちろん、学校やプログラミング教室、ワークショップなど、幅広い教育現場での利用が想定されています。
さらに、「デジハコ プログラミングカー」は広島県内から優れたデザインを発掘・表彰する、第19回ひろしまグッドデザイン賞を受賞しています。
「動く」ことで理解が深まる学習設計

「デジハコ プログラミングカー」の最大の特長は、プログラミングの結果が画面上の表示だけでなく、現実世界の動きとして現れる点です。
例えば、
・前に進む
・障害物を避けて曲がる
・特定の条件で停止する
といった処理をコードで記述すると、その通りに車が動きます。これにより、学習者は「なぜ思った通りに動いたのか」「なぜ失敗したのか」を、目と体で理解できます。
抽象的になりがちなアルゴリズムや論理構造を、具体的な体験として結び付けられることは、特に初学者にとって大きなメリットです。
教育現場での活用の可能性

小学校・中学校でのプログラミング教育
小学校でのプログラミング教育必修化以降、現場では「何をどう教えるか」が課題となっています。「デジハコ プログラミングカー」は、教科書だけでは伝えにくい内容を、体感的に補完できる教材として有効です。
特に、
・試行錯誤を促す授業
・グループワークや協働学習
・成功・失敗を共有する振り返り
といったアクティブラーニングとの相性が良い点が評価されています。
家庭学習・プログラミング教室での利用
家庭では、親子で一緒に取り組むことで、学びのコミュニケーションツールとしても機能します。また、プログラミング教室やワークショップでは、短時間でも達成感を得やすく、参加者のモチベーション維持に役立ちます。
「デジハコ プログラミングカー」購入についての詳細はこちらのサイトから↓
https://programing.digihaco.jp/
なぜ今「ロボット×プログラミング」なのか

近年の教育トレンドでは、「知識を覚える」よりも「考え方を身に付ける」ことが重視されています。「デジハコ プログラミングカー」のような教材は、次の力を育てる点で注目されています。
✅論理的思考力
✅問題解決力
✅試行錯誤する姿勢
✅失敗から学ぶ力
AIやロボットが社会に浸透する時代において、こうした力は将来の職業に限らず、日常生活でも重要になります。
今後の展望
今後は、オンライン教材やAIによる学習支援との連携、他教科との横断的な活用など、さらなる発展が期待されます。「デジハコ プログラミングカー」は単なる玩具ではなく、思考力を育てる学習基盤として進化していく可能性を秘めています。
最後に
「デジハコ プログラミングカー」が私たちに教えてくれるのは、プログラミングの本質はタイピングや画面操作ではなく、目的を達成するための「手順を組み立てる思考プロセス」そのものにあるということです。
IT業界のプロフェッショナルであれば、言語のシンタックス(構文)が変わっても、ロジックさえ組めれば適応できることを知っています。「デジハコ プログラミングカー」は、その最も純粋な「ロジックの構築」を、子どもの手に取れる形にして提供しました。教育現場や家庭での新しい学びの選択肢として、今後の展開に注目したい製品です。
筆者Y.S
