「Adobe Firefly Video Model」パブリックベータ版公開!使い方と特徴を解説

動画生成AIと言えば、「Hailuo AI」や「Kaiber」、「Luma AI」など様々なAIが登場しており、このサイトでも紹介してきました。現在、その最前線を走るのが、Adobeが開発する「Adobe Firefly Video Model」です。2025年2月に、パブリックベータ版を公開し、動画生成技術を試せるようになりました。「Adobe Firefly」は、画像生成AIとして既に高い評価を得ていますが、その技術を動画生成に応用したのがこの「Adobe Firefly Video Model」です。今回は、テキストプロンプトを入力するだけで高品質な動画を生成できる画期的なツールとして、大きな注目を集めている「Adobe Firefly Video Model」の解説とベータ版の使い方について解説いたします。
過去の動画生成AIについての記事はこちらから↓
Adobe Firefly Video Modelとは

「Adobe Firefly Video Model」は、テキスト入力や静止画をもとに動画を自動生成できるAIモデルです。このモデルは、ユーザーがテキストによる指示を出すだけで、その指示に基づいた動画を自動的に生成することができます。例えば、「朝日が昇る風景」といった具体的なリクエストを入力すれば、AIがその内容に即した動画を作成します。このように、映像制作の専門知識がなくても直感的な操作で高品質な動画を作成でき、従来の動画編集にかかる手間や時間を大幅に削減できる点が大きな特徴です。
Adobe Firefly Video Modelの主な機能
<テキストから動画の生成>
テキストプロンプトに基づいた動画生成が行えます。「丘の上を走る犬」などのテキストを入力するだけで、AIが自動で動画を作成します。
<静止画から動画の生成>
画像をアップロードすると、その画像をもとに動画を生成します。
<Adobe Premiere Proとの連携>
生成した動画をAdobe Premiere Proに取り込み、細かい編集が可能です。
Adobe Firefly Video Modelの特徴
<商用利用可能な動画を生成>
「Adobe Firefly Video Model」は著作権的に安全な学習データを活用しており、生成されたコンテンツの商用利用が可能です。他のAI動画生成ツールでは著作権の問題が指摘されることが多いですが、Adobeはこの点を強く意識し、安心して使えるAIを提供しています。
<プロ仕様の映像クオリティ>
「Adobe Firefly Video Model」は、高解像度かつ繊細な動きを実現する高度なAI技術を搭載しています。これにより、プロレベルの映像制作にも耐えうる品質の動画を生成できます。
<直感的な操作で誰でも簡単に動画生成>
専門的な編集映像スキルがなくても、テキスト入力や画像選択だけで動画ができ、クリエイターだけでなく、マーケティング担当者や一般ユーザーにも幅広く活用できるのも特徴です。
Adobe Firefly Video Modelの使い方

「Adobe Firefly Video Model」(ベータ版)はAdobe Fireflyのサイトで使うことができます。
Adobe Fireflyのサイトへはこちらから
▼まずはログインします
(「Adobe Firefly Video Model」の使用にはAdobeアカウントの登録が必要です)

▼Googleアカウントを持っていれば、Googleアカウントでもログインが可能です

▼生成AIの使用についてのガイドラインが表示されますので、「同意する」をクリック

テキストから動画生成
▼動画を生成するには「動画」を選択した状態で、プロンプトを入力して「生成」をクリックします

▼初回のみ以下の説明が表示されますので、「開始」をクリックするとすぐに生成が始まります


無料ユーザーは月2回、動画生成が可能です。やり直しが効きませんので、無料ユーザーで生成する場合はプロンプトを事前に準備しておいた方がいいかもしれません。
今回以下のプロンプトで動画を生成してみました。
プロンプト:フルシーン、目線、ワイドショット、巨大メカ、黄色と水色の鎧、荒れ果てた街の路上、ワイヤー、LED、サイバーパーツ、高品質、非常に詳細(Adobeのサイトに例として掲載されていたものを少し改変したプロンプトです)
▼生成された動画がこちら
迫力のある5秒の動画が生成されました。まるで映画の1シーンのようです。
画像から動画生成
「Adobe Firefly Video Model」には静止画から動画を生成する機能もあります。
▼動画生成画面の「フレーム」と書かれている箇所に画像をアップロードすることができます。「フレーム」部分をクリックすると画像を選択する画面になります。画像をアップロードしてプロンプトを入力し「生成」をクリックで生成が始まります。

▼今回はこちらの金魚の写真(Adobe Fireflyで生成したもの)を動画にしたいと思います

プロンプト:静かな水槽の中で優雅に泳ぐ金魚
▼生成された動画がこちら
静止画だった金魚が泳ぎ出しました。口の動きや尾ビレのユラユラした動きもリアルに表現されています。クオリティの高さを感じますね。
Adobe Firefly Video Modelの料金プラン
「Adobe Firefly Video Model」は現在、パブリックベータ版として提供されており、無料で利用することができます。ただし、無料枠には利用制限があり、月に2回までしか動画生成を行うことができません。より多くの動画生成を行いたい場合は、有料プランに加入する必要があります。有料プランには、「Standardプラン」と「Proプラン」の2種類があり、それぞれ以下の料金と利用制限があります。
<Firefly Standardプラン>
月額1,580円で月2000クレジット付与(5秒動画を20回生成可能なクレジット)
<Firefly Proプラン>
月額4,780円で月7000クレジット付与(5秒動画を70回生成可能なクレジット)
これらのプランは、Adobe Creative Cloudの会員プランとは別となっており、「Adobe Firefly Video Model」を利用するには追加の支払いが必要となります。詳細については、Adobeの公式サイトをご確認ください。
なお、「Adobe Firefly Video Model」はまだ開発中のサービスであり、料金プランや利用制限は今後変更される可能性があります。最新の情報は、公式サイトでご確認ください。
Adobe Firefly Video Modelの活用事例と今後の可能性

「Adobe Firefly Video Model」は、さまざまな用途での活用が期待されます。
広告・マーケティング
商品紹介動画やCM動画などにAIを活用して、短時間で高品質なプロモーション動画を簡単に作成でき、より魅力的なコンテンツを制作できます。特にSNS向けの動画コンテンツにおいて、「Firefly Video Model」の導入は大きなメリットとなります。
エンターテインメント
ミュージックビデオやアニメーション動画などを制作することで、新しい表現方法を生み出すことができます。また、YouTuberやTikTokerなどのコンテンツクリエイターは、短時間で魅力的な映像を制作できるため、動画投稿の頻度を増やしたり、よりクリエイティブな作品作りに集中することが可能になります。
教育・プレゼンテーション
学校や企業の資料プレゼンテーションとして、視覚的にわかりやすい動画を簡単に作成できるため、教育現場やビジネスシーンでも活躍が期待されます。
映像制作
企画段階のイメージ映像や、短編映画の制作などに活用することで、制作コストを大幅に削減できます。
パブリックベータ版は、無料で利用できますが、一部機能に制限がある場合があります。正式版のリリースに向けて、今後も機能追加や改善が進められる予定です。
最後に

「Adobe Firefly Video Model」は、動画生成AIの分野に新たな可能性をもたらす革新的なツールとして、大きな注目を集めています。高品質な動画を誰でも簡単に作成できるため、様々な分野での活用が期待されています。また、Adobeは今後も「Firefly Video Model」の機能を拡張し、さらなる精度向上や追加ツールの提供を予定しているため、今後のアップデートにも関心が高まります。パブリックベータ版が公開された今、実際に試してみて、この新しい AI技術の可能性を体感してみてはいかがでしょうか。
筆者Y.S