日本人は貧乏になったの?―ITエンジニアと収入―
戦後75年、日本のGDPが平成元年には4位という世界トップレベルの経済大国から、年々順位を下げて2019年にはついに世界26位となりました。
「日本人って無茶苦茶働いてるやん!」って思う人は少なくないはず、
その一つの問題点として挙げられているのが、生産性の悪さです。西側諸国の人が1時間働くのと日本人が1時間働くのでは生産効率が違います。
日本の所得格差は広がっていると聞きます。日本人の給与って具体的には、どのようになっているのでしょうか。
平成30年 民間給与実態統計調査 調査結果報告(国税庁)の調べでは次のような結果がでました。
1年勤続者の給与階級別給与所得者構成比(2018)
年収1500万円超 1.4%
年収1500万円以下 3.6%
年収1000万円以下 1.9%
年収900万円以下 2.9%
年収800万円以下 4.4%
年収700万円以下 6.5%
年収600万円以下 10.2%
年収500万円以下 14.9%
年収400万円以下 17.2%
年収300万円以下 15.2%
年収200万円以下 13.7%
年収100万円以下 8.1%
実に年収0~300万円台の人たちが国民の54.2%に上ります。
半数以上の日本人が月々20万円前後(社会保険、税金を含まず)の給与しかもらっていません。
これでは、貯金ができないどころか、結婚して家族も持てないでしょう。
業種によってまた所得格差が生まれています。
エン・ジャパン実態調査では転職後、年収が上がる職業と下がる職業が挙げられていました。
1位 経営・経営企画・事業企画(メーカー)
2位 営業・マーケティング(IT・インターネット)
3位 技術系(IT・WEB・通信)
4位 事務・管理(コンサルタティング)
5位 コンサルタント(金融)
製造業や物流などは転職後に収入が下がる傾向にあるようです。それとは反対に収入に強いのがIT関係。エンジニアのほとんどが転職後は収入アップにつながっています。
また、今後10年で70万人ほどのIT技術者の不足が濃厚と心配されている現状もあって、IT業では40代でも正社員として雇っているところも増えています。
最近ではフリーランスのエンジニアが人気、年収1000万円越えのエンジニアも少なくありません。
収入が上がる職業、また下がる職業、それを見越したうえでの職業選び、よく考えて決めたいものです。
筆者S.H