食品工場に革新!野菜についたカメムシをAIで高精度に検知するシステムがすごい
キャベツやレタスにアオムシがついていてギョッとした経験はありませんか?虫も食べるほど美味しい野菜・・・とも言えますが、虫嫌いな人にとっては大きな問題です。野菜を出荷する食品工場においても害虫は非常に厄介な存在ですが、そんな中、AI画像処理技術を活用したカメムシを含む異物を検知するシステムが登場しました。今回はその技術についてお話しいたします。
食品工場にカメムシが与える影響
近年、カメムシの大量発生が問題となっています。カメムシは野菜や果物に被害を与えるだけでなく、その独特の臭いで不快感を与えるため、世間的にも良いイメージがありません。
カット野菜の製造を行う工場にとって、野菜に付着している虫を除去することは重要な工程です。従来の工場ではカメムシなど、葉物野菜の色と酷似している虫は機械での判別が難しく、一般的に使われている金属探知機、X線検査装置、色彩選別機にも検知されず、最終的には手作業で野菜を掻き分け人の目で探し、虫を除去するしかありませんでした。目視による検査は効率的ではなく見逃しも発生していました。カメムシはその独特の臭いから特に消費者から嫌悪感を持たれており、見逃したカメムシが付着したまま出荷されてしまうと、クレームや返品の原因となり、企業のイメージダウンにも繋がりかねません。
AI技術を活用した昆虫検知システム
今回、カット野菜の製造工場へ向けてカメムシや芋虫などの昆虫を含む異物を高精度に検知するシステムを開発したのは株式会社トラスト・テクノロジーです。この企業はAI画像検査システム「AIインスペクター」を開発しており、これまでも精肉工場向けに毛髪やコバエを検知するシステムや、野菜工場向けにアマガエルを検知するシステムなど、様々な検知システムを開発し、現在多くの工場で導入されています。今回、発表された昆虫検知システムは、特に判別が難しいカメムシについてAIが大量のカメムシを使って学習しており、全体が写っていない体の一部でも検知が可能だそうです。
今までは手作業で探していたカメムシや芋虫などの害虫をAIが検知してくれることで、人為的なミスが減り、作業スピードがアップすることが見込まれます。企業としては人件費の削減や、クレームの防止、質の高い商品が提供できることなどが期待されます。
<参考サイト>
株式会社トラスト・テクノロジー 企業サイト
https://www.trust-technology.co.jp/
FOOMA JAPAN 2024(国際食品工業展)
株式会社トラスト・テクノロジー 出展ページhttps://www.foomajapan.jp/exhibitor/detail/269/
↑AIインスペクターの実演動画などが見れます。
AIカメラ検知システムの将来
AI技術の進歩により、AIカメラ検知システムも目覚ましい進化を遂げています。よく知られている検知システムで言えば、カメラに映った人物を識別し、個人情報を照合する「顔認証」や、不審な行動をしている人物を検知する「不審者検知」、車やバイクをなどの物体を検知する「物体検知」など防犯や交通安全などで使われているシステムです。このような監視カメラの分野に限らず、AIカメラ検知システムは今回ご紹介したような製造業でも導入されていたり、医療やマーケティング、農業の分野でも活用されるようになってきており、今後も新たな価値を生み出す可能性を秘めています。AI技術の進化により、より高精度で効率的なシステムが登場し、社会に大きな影響を与えることが期待されています。
最後に
今回ご紹介した昆虫検知システムは、高精度な検知による効率的な除去を実現することで食品工場の安全性と生産性を向上させ、品質管理に革命をもたらす画期的なシステムですね。今後もAIカメラ検知システムが様々な分野で活用され、人々の生活をより良くしてもらえることが望まれます。このように、AI技術は身近なところで活躍しており、私たちの生活になくてはならない存在になってきています。
筆者Y.S