拡大する次世代エアモビリティ 〜空飛ぶクルマが大阪で見られる日は近い〜
近年、注目を集めている「空飛ぶクルマ」や「ドローン」などの次世代エアモビリティですが、2025年に開催される大阪・関西万博での実用化に向けた取り組みが進められています。今回は次世代エアモビリティについての解説です。
次世代エアモビリティとは?
画像出典元:経済産業省WEBサイト
次世代エアモビリティ(AAM:Advanced Air Mobility)とは従来の航空機とは異なった、ドローンや空飛ぶクルマを使った、空を拠点とした新しい移動手段のことです。日本では大阪・関西万博で空飛ぶクルマが実用化される計画が進められており、海外でもアメリカや中国で空飛ぶクルマの開発が進められています。
次世代エアモビリティが及ぼす影響
画像出典元:経済産業省WEBサイト
次世代エアモビリティが活用された空飛ぶクルマが実用化されると、実際にどのような影響があるのでしょうか。やはり一番はその早さです。種類によって差はありますが、電動型垂直離着陸機(eVTOL)の場合、車で2〜3時間かかる距離を30分程で移動できるとされています。また、飛行機の場合だと滑走路など離着陸するために広い場所が必要になりますが、空飛ぶクルマは比較的狭い場所でも離着陸することができます。人里離れた場所への物資提供や、災害時に車では行けない場所へ人や荷物を運ぶことが可能です。
2025年開催の大阪・関西万博に向けての取り組み
画像出典元:経済産業省WEBサイト
大阪では2025年に開催の大阪・関西万博に向けて空飛ぶクルマの商用運航の実現を目指す計画が進められており、日本航空やスカイドライブなどいくつかの運航事業者により関西空港などの場所から大阪・関西万博の会場である夢洲までを結ぶ移動手段として使われる予定です。
日本における空飛ぶクルマ実現に向けた動き
画像出典元:経済産業省WEBサイト
経済産業省は2018年に空飛ぶクルマの実現に向けたロードマップをWEBサイトで公開しています。それから何度も協議が重ねられており、国をあげて空飛ぶクルマ実現に向けて運航の安全基準など、様々な制度や整備が進められています。
2021年に経済産業省のWEBサイトにあげられていた空の移動革命ロードマップによると、2025年の大阪・関西万博を起点にサービスが本格化され、2030年以降には全国的に使えるように拡大していく計画が掲載されています。
画像出典元:経済産業省WEBサイト Advanced_Air_Mobility_in_JAPAN_2021(日本語版)より
海外の空飛ぶクルマは?
中国では空飛ぶクルマの開発を行う企業「峰飛航空科技(AutoFlight)」が2024年2月に5人乗り機体のデモ飛行を成功させました。これにより車だと約3時間かかる距離を約20分で移動できたことが実証されました。デモ飛行させた機体は「峰飛航空科技(AutoFlight)」が独自の開発したもので、2026年の実用化を目指しています。
同じく空飛ぶクルマを開発するアメリカのスタートアップ企業「Joby Aviation(ジョビー・アビエーション)」では世界に先駆けてアラブ首長国連邦のドバイ首長国で空飛ぶタクシーのサービスが開始される予定です。
最後に
今回は夢のような空の移動手段である次世代エアモビリティについての解説でした。大阪・関西万博では実用というより世界に向けたデモストレーションに近い形で公開されるのではないかという印象ですが、国として整備も進められているので、空飛ぶクルマが私たちの上空を走る時代が来るのはそう遠くない未来なのかもしれません。
筆者Y.S