フィンテックとは?フィンテックサービスのメリットとデメリット
近年、急速に発展している「フィンテック(FinTech)」をご存知でしょうか?最先端のテクノロジーを活用した金融サービスのことを指す「フィンテック」について今回はご紹介します。
フィンテックとは?
フィンテックは金融(Finance)とテクノロジー(Technology)を掛け合わせた造語です。最新の情報技術と金融サービスを結びつけたサービスのことを指します。ICT(情報通信技術)の進化により近年、フィンテック関連のベンチャー企業やスタートアップ企業が増えています。
フィンテックと呼ばれるサービスはアメリカで誕生しました。日本でフィンテックという言葉が使われ出したのは2014年頃からで、使われるようになったきっかけは2008年のリーマンショックだと言われています。世界的な金融危機による大規模な解雇などにより金融業界にいた優秀な人材がIT業界へ流出し、ITを活用した新しい金融サービスが登場し始めました。身近なところで言うと、PayPayなどのモバイル決済サービスや送金サービス、インターネットバンキングなどが有名です。
実際にどのようなものがあるのか、フィンテックの具体的な事例をいくつか見ていきましょう。
スマホ決済・送金サービス
PayPayやLINE Pay、Apple Payなどのスマホ決済、送金サービスです。財布いらずで簡単にスマホで支払いができるサービスはその手軽さ、便利さから利用者が拡大しています。実際に使ったことがある方も多いのではないでしょうか?
経済産業省は、キャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度にするという目標を掲げ、キャッシュレス決済の推進に取り組んでおり、ますますスマホ決済サービスの市場も拡大していくことが予想されます。
会計・財務サービス
会計や経理の業務をサポートするサービスにもICT技術が活用されています。有名なところだとクラウド会計ソフトの「freee(フリー)会計」や「弥生会計ソフト」があります。他にも税理士向けクラウド税務・会計システム「A-SaaS(エーサース)」などがあります。情報技術を使った業務の効率化・自動化が行えるソフトやサービスはは企業、個人問わずに多く導入され、その技術も日々進化しています。
クラウドファンディング
ラウドファンディングは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、インターネットを使ってオンライン上で不特定多数の人から少額づつ資金を調達することを意味します。国内でクラウドファンディングサービスを提供しているフィンテック企業と言えば「CAMPFIRE」が有名です。
仮想通貨
ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーン技術もフィンテックサービスです。有名な暗号資産(仮想通貨)取引所では「コインチェック」や「GMOコイン」などがあります。最近では、ブロックチェーン上で管理される「NFT(Non-Fungible Token)」が話題となっています。これは「非代替性トークン」と言われるもので、コピー、改ざんのできない証明書付きのデジタルデータのことです。これにより、これまで簡単にコピー、改ざんされてしまいがちだったアート作品などに資産価値を持たせることが可能となりました。
資産運用・投資
資産運用サービスや投資サービスにおいても情報技術が活用されています。資産運用を自動化してくれる「WealthNavi(ウェルスナビ)」などが有名です。AI(人工知能)を使って投資アドバイスや運用まで行ってくれるサービス「ロボアドバイザー」も普及してきており、導入する企業も増えています。
フィンテックのメリット・デメリット
フィンテックのメリット
フィンテックのメリットは店舗などを構える必要が無い為、比較的低コストでサービスを提供することが可能である点や、インターネット上での取引など、時間や場所に制限されない利便性の高いサービスを提供することができる点などが挙げられます。また、これからますます技術が進化していくことで、サービスの改善や、今までになかった新しいサービスが開発されることが期待されます。
フィンテックのデメリット
フィンテックのデメリットはインターネットを通したサービスのため、セキュリティリスクが高い点があります。不正アクセスや情報の流出など様々なリスクを常に警戒しておく必要があります。また、インターネットが何らかの原因で使えなくなった場合は大きな損害にも繋がりかねません。他にもデジタル・ディバイド(情報格差)による金融格差の拡大も懸念されています。
フィンテックの今後について
今や私たちの生活の身近に存在するフィンテックですが、ここまで大幅な拡大を見せたのはICT技術の進化とクラウド技術の向上が深く関係しています。フィンテックはこれからも金融サービスを大きく変革する可能性を秘めたものであり、さらなる発展が見込まれます。フィンテック業界で開発に携わるエンジニアを「フィンテックエンジニア」と言い、急速に成長するフィンテック業界においてフィンテックエンジニアの需要も高くなっています。
最後に
スマホ決済やクラウドファンディングなど、手軽に誰でもできる便利なサービスに使われているフィンテックですが、デメリットも理解した上で安全に使っていきたいですね。これからますます進化していくであろうフィンテックがどのように金融サービスの変革をもたらしてくれるのか注目していきましょう。
筆者Y.S