汎用人工知能「AGI」って何?AIとの違いは?
以前にこちらのブログで紹介した「チャットGPT」や「Google Bard」などのAIサービスが普及したことによりAIについての関心が高まっていますが、同じ人工知能の種類のひとつである「AGI」はご存知でしょうか?AIとどう違うのか、どのような特徴があるのかを解説いたします。
汎用人工知能「AGI」とは?
汎用人工知能「AGI(Artificial General Intelligence)」は人工知能の種類の一つで、人間と同じ、もしくはそれ以上の知能を持ち、人間と同じように思考し、感情すら持つと言われている人工知能のことです。
チャットGPTを始めとした現在公開されているAIは、ユーザーからの質問に答えるなど、基本的に人間の指示に従ってタスクをこなすのみですが、「AGI」は、自ら考え、自ら学習し、多様なタスク処理に対応できる人間に近い人工知能のことを指します。
しかし、現在ではまだ「AGI」の実現にはたくさんの課題があり、研究・議論が進められている段階で、実現には至っていません。
AIとの違い
「AGI」もAIの一部ではありますが、大きな違いは「AGI」はAI自身が判断し行動するところです。例えばAIと人間でゲームをした場合、AIは過去のパターンやネット上の情報をもとに分析し対戦しますが、「AGI」の場合は相手の表情から感情を読み取ったり、自ら考えて心理戦を行ったりすることもできるわけです。相手の気持ちを考えたり、周りの状況を踏まえた上で判断できるのが「AGI」の特徴です。高度すぎるが故に人間の思った通りに動かないといったことも起こるかもしれません。
汎用人工知能AGIでできること
もし「AGI」が実現した場合、私たちの生活にどのような影響が出るのでしょうか。
人間的な思考を持つという点では、教育や介護の現場、医療分野での活躍が期待されます。医師にかわって診察を行ったり、先生にかわって子供に勉強を教えたり、他にも災害時のボランティアなど、人の気持ちを汲み取り、状況に応じた判断が求められる現場においては重宝されるのではないでしょうか。
ビジネスシーンでは、顧客への対応やスケジュールの調整など現状のAIでは不可能なこともサポートしてもらえるようになるでしょう。さらに、自律的に学習する「AGI」は新しい技術の開発や研究に役立つとも考えられています。
娯楽の分野でも、人間のミュージシャンのように新しい曲を作り、演奏し、ライブを行い、ファンと交流したりと人間と同じようなアーティストが誕生するかもしれません。
AGIにまつわるリスク
人間にとって有益となりえる「AGI」ですが、実現に関してはリスクも抱えています。人と同等の知性を持つ「AGI」が悪意を持ってしまった場合、悪意のある人間に利用されてしまった場合、ハッキングや情報漏洩などのサイバー攻撃やそれ以上の危険な攻撃を行うかもしれません。他にも人間の仕事を奪ってしまい、失業者を増やすのではないかという懸念もあります。
心を持ったAIをどのように扱い、付き合っていくのか、倫理的な側面でも議論が必要になってくるのではないでしょうか。
最後に
今回は、まだ実現されていないAI「AGI」についての解説でした。人間に近いAIである「AGI」は実現されれば、私たちの生活が大きく変わることになりそうですね。感情を持った人工知能ロボットが出てくるアニメやSF映画などを見て、遠い未来の話だと思っていましたが、汎用人工知能AGIが私たちの生活に取り入れられる日がくるのもそう遠くない未来なのかもしれません。
筆者Y.S